エモいよなあ、朝井リョウさん。「桐島、部活やめるってよ」を読んで。

こんにちは!

最近読書の時間がなかなか取れません!non-noです!

月末って忙しくなりがちですよね。

どんどん新しい作品を読んでインプットを続けていきたいのですが、どうしてもスピードが鈍化してしまってますね・・。

なので今日は、少し前に読んだ朝井リョウさんの作品について書いていきます!

 

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まず朝井リョウさんの作品で最初に読んだのが、「何者」でした。

この作品が、まあー面白いんですわ。

しかも時代が新しい。

現代の就活生とか、「何者」かになりたい若者の心情をめっちゃ深く理解してはる・・。登場人物の「いるいるこんな奴ww」感がすごかったです。

今時の若者が読んだら共感もできるし、なにかこう、心に刺さるものがある。そんな小説でした。もちろん大人が読んでも面白いようしっかり工夫してあったり、ちょっとした仕掛けがあったり。

うーん、バランス感覚に優れていらっしゃる!!

 

そのあと短編集を買って読んでみたのですが、どれも面白い!

共通点は切り口がどの作品も今っぽいところですかね。

時代に沿った切り口から繰り広げられるストーリーは、どれもすらすら読めてしまって。なんというか、時代を読み取る感覚に優れている方なのかなあという印象でした。

 

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そしてそのあと読んだ桐島、部活やめるってよ

これまた面白い作品でした。個人的な話をさせてもらうならば、「何者」の方が好みではあるのですが、桐島、部活やめるってよは若者のエモーショナルな部分にストレートに訴えかけてくるような小説で。

群像劇としてもすごく良くできているなと思った作品でしたので、こちらについて今日はお話します!!

 

タイトルの引き、すごいよね。そして謎が残る・・。

 

タイトル詐欺、と言っては失礼ですが、「桐島が部活をやめる」ことって正直あんまり小説本編では関係ないんですよね。

桐島はバレー部のキャプテンだったので、当然バレー部の話の時は関係してくるのですが。他の章ではあんまりバレー部関係なくなっちゃいますからね。

でもこのタイトル、すごく引力がありますよね!

高校生にとっては、青春のすべてをかけているような部活をやめる??なんで??

タイトルで手に取って読んでみたくなりますよね!

 

そしてこれは読者に与えられた謎でもあります。

朝井さんの作品って殺人事件とかは起きないけども、ミステリっぽいんですよね。

「何者」もこの桐島、部活やめるってよも読者が気になるような謎がちりばめられているので、飽きることなく読めてしまうんですよね。

話を戻しまして、このタイトルですが、結局、最後までなんでやめたのか、明言されることはありません。

 

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エモさにつられて読み進めると・・。

 

思うに、これをいろいろ考えさせるための群像劇だったのではないでしょうか。

思春期の少年少女には様々な悩み、立場、夢や希望があります。

いろいろな青春を描き、桐島君が部活をやめた理由って何だったんだろう?と読者に考えさせるわけです。計6人の視点から物語が描かれるのですが、結局桐島君の視点で物語が描かれることはありませんからね。

こうかもしれないよ?こうかもしれないよ?と朝井さんにもてあそばれているような感じです笑

しかし、そんな構成を成立させているのが、それぞれの章の面白さ。

文体も瑞々しく、若さが伝わる文章かつ、エモさがあります。

そんな雰囲気の良さに惹きつけられて、最後まで読んでも、タイトルの謎が明らかになることはないのです。そこは想像するしかない。。

 

まったく意地悪な作家ですよね!!(誉め言葉です!!笑)

こんなに引きのあるタイトルなのに、最後までこのタイトルの伏線を回収しないんですよね。それでも物語として成り立つほどの、各章の語り手たちの青春が面白い。

そして終わった時に、「あー桐島、もしかしてこの人と同じ思いでやめたんかなー」とかいろいろ考えてしまいますね。

 

いやあ、いかがでしたでしょうか!

朝井さんの作品は桐島、部活やめるってよ以外の作品も非常にエモーショナルな感じで、今の若者層にぴったりと合う作品が多いです!

それだけでなく、終盤にはっとするような展開があったり、気になる謎がちりばめられていたりするので、ミステリ好きの人もハマる作家さんではないかなと個人的に感じています!

最近のイチオシ作家さんなので、ぜひみなさんも手に取って読んでみてくださいね!!