信長たちのちょっと前の時代の物語。「覇道の槍」感想。
こんにちは!
歴史小説の波が来ています!non-noです。
先週記事にした「信長嫌い」から一週間でまた天野純希さんの小説を読み終わってしまいました!
今回は「覇道の槍」です!
これがまた面白かった!
ということで、ちょっとこの作品について書いていこうと思います!
信長の時代よりもちょっと前のお話!
この「覇道の槍」は結構珍しい小説だと思います!
時代が珍しいんです!
歴史で人気の時代といえばやはり信長、秀吉、家康らの戦国時代ですよね。
この作品の時代はそれより50年くらい前の話なんです。
室町幕府の将軍の京をめぐる権力争いの時代なんですよね。
このくらいの時期のお話って、日本史の授業でもさらっと触れるだけですし、あんまり詳しくない人が多いと思います。
かくいう私もそうでした。
主人公の三好元長とか、管領の細川六郎とか、名前は聞いたことあるなー、くらいでした。
しかし、読了後、各人物を調べるはめになりました!笑
それぐらい、面白い物語が彼らにもあるんです!
もはや各人物が魅力的に描かれすぎている気すらしてきます!
そしてのちの三好長慶、松永久秀らの時代につながっていくラストはしびれましたね。。。
最後の数ページ間は鳥肌が止まりませんでした・・。
現代にも通じる権力や利権の争い
この時代らしいというか、結構物語自体は陰鬱としています笑
信長たちのような、武力でどんどんのし上がっていくようなストーリーではないんですよね。
陰謀と主導権争いにまみれたどろどろとした権謀術数の争いが繰り広げられるのです!
かつての信念も、現実に直面して曲げざる負えなくなっていたり、、
その葛藤もまた見所ですね!
そして半沢直樹ばりの権力闘争、足の引っ張り合いも見ごたえ十分です!
負けて権力を失ったり、かと思ったら裏でいろいろ仕組んでまたのし上がったり。
なんかこうやって書いてるととんでもなく暗い物語に思えますが、実際は主要人物にどこか甘さがあったり、若さゆえの葛藤があったりと、さわやかさも持ち合わせていますのでご安心を!
しかし、この出る杭は打たれる的な足の引っ張り合いは、現代にも通じるものがあるなと。
誰かが成功したり、のし上がったりすることを良しとせず、自分の利権や立場を守りたいと思う人というのは、今も昔もいるということがわかりますね。。。
スポットライトの当て方が上手い!
この前の「信長嫌い」にも通じるのですが、天野さんは様々な人物にスポットライトを当てるのが本当にうまいなと思います。
日本史上にはそこまで多く名前が出てこなかったり、マイナーな人物もしっかりドラマを作り、魅力的な人物に仕立て上げています。
誰にでもドラマがあることを再認識させてくれる物語が本当に多いですね。
もちろん、歴史は何が正しいのか、実際のところわからないものです。
その当時を知る人なんていませんし、書物だって書き手の私見が混ざっているわけですからね。
だから盲目的に誰かの描く人物像やドラマを信じてはいけないと思いますが、想像で楽しむっていうことができるのも歴史の良さだと思います!
あくまで一つの説、ということは念頭に置いたうえで、人物一人一人のドラマを想像して楽しむといいと思います!
何にしても、そこまで有名でない武将にスポットライトを当てて、ここまで面白い話を書けてしまうことは本当にすごいなと思いましたね!!
こんな感じで、「覇道の槍」の感想でしたが!
読み終わると本当にこの後どうなるのかが知りたくなると思います。
歴史小説の良さはこの奥行きですよね。
一つ一つの物語がつながって、現代に至るわけですからね。
そういった背景やつながりを意識して読むと、歴史小説、さらに面白く読めるのではないでしょうか!
少なくともこの「覇道の槍」には、そういった奥行きを意識させる書き方が施されているので、この一冊から歴史小説を始めるのもありかもしれません!
ほんとにおのおのの人物が魅力的過ぎてなあ。
この後どうなったかかが気になってしまうんですよね。
そこは各自調べるしかないけども、、、三好長慶を主人公にした続きを書いてくれ!!笑